私は以前から、
田上ひろしのような顔立ちなのがコンプレックスで、
ついつい前髪を伸ばしてしまうような気の小さな男である。
私はトラベルプランナーに誇りを持って働いている。
本屋でいつもの電車に乗る前に時間をつぶしていると、
前とは雰囲気の違った加奈子と再会した。
とにかく就職できればという思いで、
加奈子はアロマ・セラピストになったらしいが、
現実はなかなか厳しい業界らしい。
そして二人は熱心に過去や趣味などについて語り合った。
加奈子が得意だったのはなんといっても社会だったし、
まわりもそれを認めていた。
私にとって現代文は、
他の点数の悪さを忘れさせてくれる自信の元みたいなものだった。
自分でお菓子作りの専門サイトを作るぐらい加奈子はお菓子作りを頑張っているらしい。
私はフィギュア収集の専門サイトがあるとは知らなかったのだが、
ふとした拍子に出会ってからはそこの常連である。
私の
中学受験勉強法の状況は深刻な人からみれば大したことはないかもしれないが、
やはり憂鬱である。
買い物を兼ねて二人は渋谷を散策し、
成り行きのように距離が縮まった。
最後は、
もうちょっと一緒にいたかったなというと加奈子はすぐメールするからと言ってくれて別れた。